あなたのかみ合わせは良いと思いますか?それとも悪いと思いますか?と質問されると多くの人は歯並びのことを連想するでしょう。もちろん歯並びの悪い人(例えば、出っ歯や受け口、らんぐい歯など)はかみ合わせも悪い場合が多いのですが、歯並びの良い人でもかみ合わせの悪い場合が多く見られます。これは、かみ合わせの良い悪いと、歯並びの良い悪いとは同じではないからです。

 
◆では、良いかみ合わせとは何でしょうか?
一般的に歯並びの良い悪いは、見た目だけで判断される場合がほとんどです。笑った時に上の前歯がきれいに並んでいる、上下の歯がガタガタせず(らんぐい歯ではなく)並んでいる、という様に見た目だけで判断されているのではないでしょうか。
しかし、人間は呼吸をし、言葉をしゃべり、食物を食べます。これらを一日中繰り返し行うためには上の歯と下の歯がそれぞれ正常にかみ合っていなければなりません。尚且つ、正常にかみ合っていても下顎が体に対して(身体の重心に対して)真ん中にきていなければなりません。
すなわち、良いかみ合わせとは、下顎が体に対して真ん中で尚且つ下顎の歯に対して上顎の歯がそれぞれかみ合い、正常に機能できるようになっていることです。下顎は上顎(頭)に対して振り子のように吊り下げられ体のバランスを取っているのです。この振り子である下顎の位置がズレたらどうなるのでしょうか。

◆かみ合わせが悪いとどうなるの?
振り子である下顎の位置がズレると体のバランスがズレる訳ですからそれを補正しようと周りの筋肉や骨の排列に無理が生じます。それが長時間、長期間続けば当然障害となって症状が表われてきます。体力のある頑丈な人は少しのズレぐらいは許容してしまうかもしれませんが、体力のない華奢な人はそうはいきません。様々な症状を引き起こすことになってしまいます。その引き起こされる症状の多くは、医療機関を受診し検査してもらっても自律神経失調症などとして片付けられてしまう場合が多いようです。

◆かみ合わせが悪い場合に引き起こされる可能性のある症状

・頭痛、・肩凝り、・背中の痛み、・腰痛、・目のかすみ、・耳鳴り、・手足の冷え、・手足のしびれ、・肌荒れ、・血圧異常、・動悸、・不整脈、・下痢、・便秘、・生理痛、・生理不順、・腹部膨満感、・顔が曲がっている、・O脚、・姿勢が悪い、・歩き方がおかしい、等々

◆あなたの子供さんは大丈夫?
自分のお子さんが朝学校に行くときに元気に登校されますか?靴の裏側の減り方は同じですか?ランドセルはまっすぐ掛けていますか?頬杖はついていませんか?等々お子さんをじっくり観察してみて下さい。もし、何かおかしいことがあればかみ合わせがズレていたり、ズレていく前の症状だと考えられます。
なぜなら、小学1年生頃から口の中では子供の歯から大人の歯に換わっていく時期に入ります。すなわち、この時期は上の歯と下の歯とがかみ合わせを作っていく時期であると言うことです。その大切な時期に頬杖をついたり、枕を抱きかかえて寝ていたり、常に横を向いてご飯を食べていたりしたらどうなるでしょう?上の歯と下の歯とがかみ合わせを作ろうとする時にその下顎をずらしてしまう事になります。
特に最近の子供の場合、昔に比べて体格も大きく、足も長く顔も小さくほっそりとした顔になって来ています。しかし、振り子のように吊り下がっている下顎にとってはバランスが悪く不安定な状況になって来ました。そのため、昔に比べると下顎もズレやすくなっています。一度、自分のお子さんもじっくりと観察してみてはいかがでしょうか。
 

◆では、どうすれば治るのでしょうか?
ズレている下顎の位置を体に対して真ん中に持って行き、その位置で噛める様にしなければなりません。上記のような自覚症状で見当をつけるのもひとつの方法ですが、やはり詳しく検査をしてみるほうが良いでしょう。問診、触診、視診、歯型の模型、各種レントゲン(パノラマ、セファロ正方、側方)、かみ合わせのコンピューターによる解析(シロナソグラフ)等々のデータをもとに診断をしていきます。
現在思い当たるところがある人も、また症状がなくても将来的に健康を維持したいとお考えの人も、検査をしてみてはいかがでしょうか。

※当クリニックは日本咬合臨床研究所の紀州センターを併設しており、上記のような症状を持つ方の治療において世界的権威の大阪大学歯学部名誉教授・丸山剛郎先生の診断治療を行っています。 様々な症状でお悩みの方は、まず相談にいらして下さい。
 
>>戻る