私は歯周病なのでしょうか?
歯周病は歯の周りの歯肉、歯槽骨などの組織の病気です。ほとんどの歯周病患者は自覚症状がありません。というのも歯周病の初期段階は痛みがほとんどないからです。
歯周病の主な原因はプラークです。
プラークは粘着性があり、バクテリアの塊で歯に絶えず付着しているものです。プラークはなかなか肉眼では見づらいのですが、右の図を見てください。赤く染めるとこんなにも歯に付着しているのがわかります。
毎日プラークをきちんと取り除かないと歯石がたまってしまいます。歯石にまでなってしまうと、歯磨きやフロッシングをしてもとれません。歯科医院へ行って、専門器具を用いて取り除いてもらうしか除去する方法はないのです。
歯石は、このX線写真からもわかるように歯の側面に付着した白い小さな塊です。このバクテリアの塊が歯周病を悪化させ、歯槽骨を破壊していくのです。
歯周病の危険信号は:
- 口臭がある
- 歯を磨いている時やフロッシングをしている時に歯肉が出血する
- 歯肉が腫れあがっている
- 歯肉が歯に付着していない
- 歯が動揺する
- 歯と歯の間が開いてきて、基盤となる歯槽骨にも変化がでてきている
ただ、これらの症状が無くても歯周病である可能性は多々あります。
歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の間の溝が3ミリ以上深くなってしまうと、危険信号です。
ポケット内はプラークやバクテリアの住処に最適で、プラークや歯石がこのポケット内に深く侵入して歯周病の悪化につながり、歯槽骨は破壊されていきます。
一度歯槽骨を失ったら、二度と再生しません。歯槽骨が多く破壊されると、歯を支えることができなくなり、ぐらついてくるので、抜歯しなければならなくなるのです。
歯科医院でX線写真とプローブを使用して検査してもらうと、歯槽骨の高さが正常置にあるか、どれ位歯槽骨が破壊され、骨の位置が低くなっているか、歯から歯肉が下がっているか、ポケットが深くなっているのかがわかるのです。
歯科医ではプローブという特別な器具を使用してポケットの深さを測定します。
左の写真は健康な歯肉の状態です。下の写真は歯周病の初期段階です。違いがわかりますか?一般的にポケットが深くなればなるほど歯周病は進行していきます。
歯肉の出血は、歯周病の大きな兆候です。健康な歯肉は出血しません。歯科医は歯肉の色、形も検査します。健康な歯肉はピンク色でオレンジの皮の表面のようなブツブツの状態をしています。
歯と歯肉の境界線を注意深く見てください。というのもこの境界線から歯周病が始まるのです。X線写真が歯周病の症状を示します。
さて、歯科医がどのように歯周病を見つけるかお分かりいただけましたでしょうか?
- ポケットの深さが3ミリ以上ある
- プローブをポケット内に挿入すると歯肉から出血する
- 歯肉が赤く貼れている(特に歯間部歯肉)
- X線写真に歯槽骨が吸収している状態や歯石が写っている
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