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■漂白シンポジウム報告

去る4月14・15の両日、東京と大阪において日本歯科漂白研究会の「2001年シンポジウム」が開催された。東京会場、大阪会場共に約150名の参加者を集め盛況だった。
大会のメインプログラムは、昨年秋の日本歯科漂白研究会学術大会で大好評だったDr.R.A.ファインマンを再度招聘し、アメリカの審美歯科の現状を“ホワイトニング”を中心に詳しく紹介してもらうものであった。Dr.ファインマンは有名な「ファインマンの分類」(テトラサイクリンステインの程度の分類:ホワイトニングを行うときの指標になる)を提唱した先生で知られている。講演内容は、現在アメリカで行われている各種ホワイトニングの方法、その効果、適応症と禁忌症、テトラサイクリン歯への対応、ホワイトニングの限界とそれに対する審美的処置などを、わかりやすく解説したものであった。
その中で「ファインマンの分類」についての説明があったので記載しておく。最近では縞の有無は関係なく、主に色によって分かれており、以前よりもホワイトニングの有効性の段階という意味合いが強くなっている。ちなみに現在の分類では、
I度:ライトイエロー/ホワイトニングは容易であり、予後も良好
II度:ライトグレー/ホワイトニングは可能であり、予後はやや良好
III度:ダークイエローまたはダークグレー/ホワイトニングは困難であり、予後不良
IV度:かなり濃いカラー/ホワイトニングはきわめて困難で、べニヤの適応
となっている。
またDr.ファインマンによれば、アメリカは現在、ホワイトニングが爆発的なブームとなっており、歯の侵襲を最小限に抑えるこの審美治療は日本でも近い将来必ず大きな需要が生まれてくる、としていた。
昼食をはさんで午後からは、日本のアイファッションコーディネーターの第一人者・上久保慧奈美先生による講演が行われた。メガネをファッションの一つとしてとらえ、メガネによる印象の違いを説明し、歯もメガネ同様、機能だけでなく審美面を配慮した治療が重要、とされた。
その後、シンポジウムヘ移った。まず東京都開業の永井茂之先生による「開業医の為のホワイトニング」、次に新潟大学歯学部の変色歯外来で講師をされている福島正義先生による「変色歯の疫学的調査の結果」, 最後に研究会会長の松尾 通先生による「最新ホワイトニング法の紹介」である。続いて行われたデイスカッションは、上記3先生にDr.ファインマンと東医歯大教授・田上順次先生を交え、有意義に行われた。

今回の漂白シンポジウムは東京・大阪の両方に出席したが、2会場共大変な盛況であったことから、−般の先生方にとってホワイトニングにいかに関心が高いか改めて知られた。今秋・10月には再び大阪において漂白研究会の貫2回学術大会が開催される予定である。この大会ではアメリカではよく行われている各種ホワイトニングのハンズオンセミナーも予定されており、期待するところが大きい。        (椿 智之)

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